注文していたGPSが届いた。
もともと通販はよく利用していて、
宅配便が届くこと自体は珍しくない。
それなのに、その日の箱だけは妙にドキドキした。
夫に見つかるんじゃないか。
でも今どきは、きちんと考えられている。
送り状に「GPS」と書かれることはなく、「化粧品」と表示されていた。
その配慮に、救われた気がした。
正直、証拠はすでにあった。
あの日、夫のカバンを開けて、たった2秒。
疑っていたことは、確信に変わった。
状況証拠も、十分すぎるほどそろっていた。
それでも、足りなかった。
決定的なものがなかった。
誰が見ても否定できない証拠。
言い逃れができない事実。
そして、相手の住所。
それが分からなければ、何もできなかった。
慰謝料請求すら進められない。
だから、進むしかなかった。
メカに弱い私に設定ができるのか。
ちゃんと使えるのか。
不安はあったけれど、
それ以上に「確かめたい」という気持ちの方が強かった。
調べて、悩んで、やっと一つに決めた。
いろいろ調べていく中で、
「これなら大丈夫かもしれない」と思えたものが見つかった。
正直、こんなものに頼る日が来るとは思っていなかった。
でも、もう見て見ぬふりはできなかった。
設定は思っていたより簡単だった。
スマホで位置情報を確認できる。
リアルタイムで、相手の動きが分かる。
その画面を見ながら、私は思った。
これで、やっと尻尾をつかめるかもしれない。
期待と不安が、入り混じっていた。

