地獄の始まり⑥点と点が線になる日(2)

2_地獄の3か月

私もチャネリングの先生に相談してみた

夫が信じていた「チャネリングの先生」。

遠隔でパワーを送るとか、未来が見えるとか、
怪しいと思っていた。

でも夫は違った。

「聞きたい人の年齢と名前がわかれば、
その人との今後の関係や未来がわかる」

そう、迷いなく言い切った。

あまりにも真剣に、当たり前のように話すから、
だんだんと私の方も興味が湧いてきた。

もともと私の方が占いが好きで、
そういうものを信じやすい性格でもある。

「私も行ってみたい」

そう言ったとき、夫は一瞬驚いた顔をした。
確実に戸惑っていた。

でも私の気持ちは変わらなかった。

結局、夫の紹介でその先生に会えることになった。

相談料は30分10,000円。
安くはないけれど、そこまで当たるなら――
そう思えるくらいに、私は期待していた。

夫はやけに親切だった。

「30分なんてあっという間だから、
聞きたい人の名前と年齢、質問は全部メモしていった方がいい」

自分もそうした、と強く勧めてきた。

私も生真面目にメモを作った。

思いつく限りの名前と年齢、
そして聞きたいことを、メモにした。

そして迎えた、相談当日。

先生と向き合い、
用意してきたメモを一つひとつ確認しながら話を進めていった。

時間は、本当にあっという間だった。

最後に何か聞きたいことある?

――聞くなら、今しかない。

最近、夫に女の影があるのですが、これからどうなりますか

私は用意したメモには書いてなかったが、思い切って、そう聞いた。

先生は一瞬だけ驚いたような表情を見せて、こう言った。

「大丈夫よ。家族のことは大切に思っているし」

私は食い下がった。

「子どものことを大切にしているのは、わかるんですけど……」

それでも先生は、同じ言葉を繰り返した。

「大丈夫。家族を捨てたりはしないから」

その言葉を聞いて、私は安心した。

――大丈夫なんだ。

そう思って、帰ってきた。

今思えば、この時すでに
いくつもの“点”は揃い始めていた。

でもそのときの私は、
それを線にすることができなかった。

見ようとすれば見えたはずなのに、
見ない方を選んでいたのかもしれない。