「地獄の始まり」①開始2秒で見つかった証拠

2_地獄の3か月

開始2秒で見つかった証拠

土曜日の午前中、夫との話し合いは終わった。

結局、夫は不貞を認めなかった。
そしてこう言った。

「子どもが大学を卒業するまでは、このまま夫婦を続ける。
子どもたちには気づかれないようにする。
その後のことは、その時に話し合う。」

家事はできるだけ協力する。
そんな約束もした。

話し合いが終わると、夫は
「ジムに行ってくる」
と言って出かけていった。

玄関のドアが閉まった瞬間、私は動いた。

証拠探しの開始だ。

まずは通勤カバン。

心臓が大きく波打っていた。
震える手で、ゆっくりチャックを開ける。

そして――

びっくりした。
本当にびっくりした。

開始、わずか2秒。

浮気の証拠の数々が、
ご丁寧にクリアファイルにまとめられていたのだ。

まるで大切な書類のように。

中に入っていたのは――

・災害ボランティアに行くと言って泊まりで出かけた日の
 リゾートホテルのレシート(御二人様)

・女の名前で申し込まれた
 百貨店の浴衣着付けサービスの予約チケット

・女の名前が入ったホテル宿泊券

・夫が最近ハマっていた
 チャネリングの先生に相談する内容をまとめた事前メモ
 (しかも当日言われたことまで、きちんと記録されていた。)

  ⇒この話は、また別の記事で詳しく書こうと思う。

なぜこんなものを、夫は後生大事に持ち歩いているのか。

普通なら、証拠隠滅するのではないのか。
少なくとも、不倫を疑われている状況ならなおさらだ。

夫の行動は、理解できなかった。

さらに、クリアファイルの中には
こんなものまで入っていた。

・花火大会の指定席チケット 2枚
・吉本新喜劇の指定席チケット 2枚

もちろん、私は誘われていない。

しかも――

花火大会は、今日の夜開催だった。

一瞬、頭の中で考えた。

どうする?

このまま泳がせて、
現場でとっ捕まえるか。

それとも、
何も知らないふりをしておくか。

そして私は、これらを見て強く感じた。

もはやこれは
「不倫」というレベルを超えている。

普通、不倫というのはやましいものだ。
だから人目を避ける。

ホテルや相手の家で会う。
目立つ行動はできるだけ控える。

それが普通ではないのか。

それなのに――

花火大会。
吉本新喜劇。

会社の知り合いに会う可能性だって十分ある。

それでも構わないのか。

夫の行動は、どう考えても理解できなかった。

とにかく私は、それらを写真に撮りコピーを取った。
そして、気づかれないよう元の場所に戻した。

それでも私は、
今夜の花火大会をどうするか決めかねていた。


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