ついに見つけた“不倫相手のすべて”|住所・電話番号・LINEまで揃った日

2_地獄の3か月

どれだけ証拠が出てきても、私は満足できなかった。

どれもこれも、状況証拠にすぎない。

決定的なものがない。
相手の住所も、勤務先もわからない。

顔すら知らない。

——どんな顔をしているのか。

バーのママだという。
きっと、相当きれいなんだろう。

そんなことばかり考えていた。

私は毎日、隙を見ては証拠探しを続けた。

本当はスマホが見たい。
あの中に、すべてがあるはずだから。

でも夫は、片時もスマホを手放さない。

一度だけ、風呂に入っている隙にロック解除を試みた。
当然、失敗した。

——心臓に悪すぎた。

その点、リュックは違う。
探し放題だ。

以前見つけた証拠も、そのまま入っている。
(どうして捨てないのか、本気で理解できない)

私はリュックの中から、夫のノートを見つけた。

1ページずつ、目を通していく。

仕事のメモ。
難しい計算式。

——いかにも夫らしい。

そして、最後のページ。

あった。

やっぱり、あった。

女の携帯番号。
メールアドレス。
マンションの住所。
もう一つの住所。
LINE ID。

全部、そろっていた。

マンションの住所と、もう一つの住所。
それはカーナビの履歴と、完全に一致した。

その瞬間、心の中でガッツポーズをした。

誰かに言いたかった。
誰かに褒めてほしかった。

23年間、夫と暮らしてきた。

自分勝手な行動に振り回されながらもずっと夫を観察してきた。

夫の行動パターン。
それを全部つなげて、
このメモにたどり着けるのは——

間違いなく、私だけだ。

これで、女を訴えることができる。

住所も名前も、電話番号も、LINE IDもある。

一瞬、LINEを送ろうかと思った。

でも、やめた。

ここで動いたら終わる。

これらの証拠は、夫に知られてはいけない。

もし今、突きつけたら——

「どうやって見つけた?」

そうやって、論点をすり替えてくるに決まっている。

人のカバンを勝手にあさったのか。

そうやって、私を責めるだろう。

だから私は決めた。

この証拠は、最後の最後まで出さない。

その時が来るまで、
すべて、握り続ける。