点と点が線となる日➂お金の話

2_地獄の3か月

お金の話

その頃、夫は言い出した。

「本格的に株をやりたい」

もともと少しは持っていたけど、
今度は「有料セミナーに行く」と言う。

有料?わざわざ?いくらなの?

「いいじゃないか、俺の金で行くんだから」

――それ以上、触れるなという空気だった。

私は、踏み込めなかった。

同じ頃、変化があった。

あんなに服に無頓着だった人が、
急にブランド物を身につけるようになった。

ユニクロを着倒していた人が、
急におしゃれな服を選び出す。

JINSの眼鏡が、百貨店で8万円超えのものに変わり、
気づけばボッテガのサングラスまで持っていた。

――そのどれもが、
「夫が自分で選ぶもの」じゃなかった。

でも私は、考えないようにした。

気づかないふりをした。

さらに、

カードの請が、1ヶ月で約50万円。

出張が多かったから、
「そういうものかもしれない」と自分に言い聞かせた。

夫は浪費する人じゃなかったし、
お金は任せてくれていた。

だから、信じていた。

今思えば、

あの言葉も、あの変化も、あの金額も、
全部“点”だった。

でも私は、それを線にしなかった。

信じたかったから。

見ない方が、楽だったから。

その信頼が、どう崩れたのか。

気づいたのは――
証拠を探し始めてからだった。