断捨離で手に入れた、本当に欲しかった暮らし

3_再出発(離婚後の人生)

離婚して、最初にやりたかったことは
「片づけ」だった。


結婚していた頃の家は、物であふれていた。

3人の子育てとフルタイムの仕事。
毎日を回すだけで精いっぱいで、
片づけまで手が回らなかった。

ずっとコンプレックスだった。

散らかった部屋。
片づかないキッチン。
増え続ける物。


夫にとっても、不満の一つだったと思う。

でも、夫が片づけに協力してくれることはなかった。


私はただ、

目の前の生活を回すことで精いっぱいだった。


離婚して、家に残ったのは
物と、静けさだった。


そのとき、強く思った。

このまま物に埋もれて暮らしたくない、と。


まずは、夫の物を手放した。

洋服、靴、本、夫が残した物は迷わず捨てる。

こんな物もあった。
結婚式のビデオ、2人で読み上げた宣誓書、お祝いの寄せ書き。

少し心が痛んだが、迷わず捨てる。

でも、それだけでは終わらなかった。

私は、自分の物とも向き合っていた。


本当に必要なものは何か。

なくても困らないものは何か。

一つひとつ、手に取りながら考えた。


大きなテレビボードを手放した。
子どもたちの小さいころの写真もリビングにはもういらない。
絵本も児童書も図鑑ももういらない。


私は気づいた。
とっくに子供たちは大きくなっているのに
リビングの写真はずっと赤ちゃんのままだ。

時が止まっていたんだ。


部屋から、少しずつ物が消えていった。

すると不思議なことに、

心まで軽くなっていった。


以前の私は、

時が止まっていることに気が付かなかった。

でも今は違う。


物が減るほどに、

自分の時間が動き出す。


誰にも気を使わずに過ごせる時間。

好きなものだけに囲まれた空間。


それは、

結婚していた頃には手に入らなかったものだった。


あの頃は、

「物が多いから片づかない」と思っていた。

でも違った。


「余裕がなかった」から、
片づけられなかったのだと思う。


今の私は、

心はずっと穏やかだ。


断捨離で手放したのは、物だけじゃない。


我慢も、遠慮も、
もう必要ないものだった。