離婚後の自分の苗字どうする?子どもの苗字どうする?

離婚の手続きまとめ

離婚届を書くとき、手が止まりました。
「苗字、どうする?」

たったそれだけの項目なのに、すぐには答えが出ませんでした。

離婚後、苗字をどうするか。
これは思っている以上に、迷う問題です。

特に子どもがいる場合は、自分だけでなく、子どもたちの苗字をどうするかという問題も出てきます。

わたしも離婚の手続きを進める中で、ずいぶん悩みました。

今日は、制度的な話と、わたし自身の選択についてお伝えします


離婚後の苗字——制度のはなし

自分の苗字について

日本では、結婚の際に夫婦どちらかが相手の苗字に変更します(ほとんどの場合は妻側)。

離婚後、苗字は原則として結婚前の旧姓に戻ります

ただし、「婚氏続称(こんしぞくしょう)」という制度があり、離婚後も結婚中の苗字を名乗り続けることができます。

離婚届には「婚姻前の氏にもどる者の本籍」を記入する欄があります。旧姓に戻る場合はここに記入します。

一方、婚氏続称(結婚中の苗字を継続して使用する)を希望する場合は、離婚届とは別に届け出が必要です。

婚氏続称を希望する場合は、離婚届を提出してから3か月以内に、市区町村の窓口で届け出が必要です。

3か月を過ぎてしまうと、家庭裁判所での手続きが必要になるため、希望する場合は早めに動くことをおすすめします。

子どもの苗字について

離婚しても、子どもの苗字は自動的には変わりません。

子どもは、原則として離婚前の戸籍(多くの場合は父親側)に残ります。

子どもの苗字を変えたい場合は、

  • 未成年の子どもの場合 → 家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立て、許可が下りたら市区町村で入籍届を提出
  • 成人した子ども(18歳以上)の場合 → 本人が市区町村に入籍届を提出するだけで変更可能(家庭裁判所の許可は不要)

成人した子どもは、自分の意思で苗字を選ぶことができます。


わたしの選択

わたし自身の苗字——旧姓に戻すことにした

婚氏続称という選択肢があることは知っていました。

実際、会社では長年ずっと夫の苗字で通しており、旧姓に戻せば「あ、離婚したんだな」と周囲に知られることになります。

正直、それは面倒でした。
できれば、そっとしておきたかった。

でも。

夫と同じ苗字を名乗り続けることの方が、もっと嫌だったのです。

あの人と同じ苗字で、この先も生きていくのか。
そう思ったとき、どうしても受け入れられませんでした。

心機一転、やり直したかった。

そうして、旧姓に戻すことを決めたのですが——。

手続きが、終わりません。

マイナンバーカード、運転免許証、銀行口座、クレジットカード、保険、各種アプリ……。

思いつくものを挙げていくだけで、軽く絶望します。

さらに厄介なのが、ログインIDやパスワードに苗字が絡んでいるものです。

「どうせなら全部変えたい」という気持ちになり、作業量がさらに膨らんでいきます。

なぜ女ばかりが、こんな面倒な手続きをしなければならないのか。

心底、理不尽だと感じました。

この経験から、わたしは思うようになりました。

もし次に結婚することがあるとしたら、わたしは夫婦別姓でありたい。

あの手続きを、もう一度やる気にはなれません。

それほどに、大変でした。

それでも。

自分の名前が戻ってきた感覚は、思いのほか清々しいものでした。それだけは確かです。

子どもたちの苗字——それぞれの選択

わたしが離婚したとき、子どもたちは全員18歳以上の成人でした。

苗字をどうするかは、本人の意思に任せることにしました。

一番上の子は、「今さら変えたくない」という理由で、夫の苗字のまま。

社会人として働いており、すでにその苗字で築いてきた関係があります。変える必要はないという判断は、もっともだと思いました。

二番目の子は、どちらでもよいという気持ちだったのですが——タイミングが合いませんでした。

ちょうど留学を控えており、パスポートもすでに取得済み。苗字を変えるとパスポートの取り直しが必要になるため、「とりあえずそのまま」という判断になりました。

一番下の子は、わたしの旧姓を名乗ることを選びました。

理由を聞いて、思わず笑ってしまいました。

「ママだけ一人の戸籍になるのはかわいそう」
それと、
「旧姓の方が女優みたいでかっこいいから」

正直、とても嬉しかったです。


ひとつ屋根の下で、苗字が2つ

こうして、同じ家に暮らす4人が、2つの苗字に分かれるという状態になりました。

わたしと末っ子が旧姓、上の二人が夫の苗字のまま。

これ、実際のところ不便はあるのか。

結論から言うと、ほとんどありません。

日常生活で家族の苗字が一致していないことで困る場面は、思ったよりずっと少なかったです。

ただ、一番上の子がこんなことを言っていました。

会社に提出している緊急連絡先がわたしなのですが、苗字が違うため、

「この方はどういったご関係ですか?」

と確認されることが何度かあったそうです。

そのたびに、

「親が離婚したので」

と説明することになり、

「地味に面倒くさい」

とのことでした。

とはいえ、説明すれば理解してもらえる程度のこと。
生活に支障が出るほどではありません。

表札、どうする問題

実はもうひとつ、盲点がありました。

表札です。

1つの家に、2つの苗字。
当然ながら、今までの表札では合わなくなります。

今の表札は、家を新築したときに取り付けた立派なもの。

これを変えるとなると、「工事が必要!?」と一瞬身構えました。

ところが、意外にも今は便利な世の中で。

ネットで簡単に注文ができ、デザインも書体も豊富に選べて、しかも安価に作ることができるのです。

届いた表札を、今ある表札の上から両面テープで貼り付けて——完成。

あっけないほど、簡単でした。

同じ状況になった方に、わたしが実際に購入したものをご紹介します。

2世帯用の表札がたったの2,500円ほどで購入できました。

付属の両面テープだと心配だったので、ホームセンターで強力両面テープを購入して貼り付けました。
1年半以上経過しましたが、全くびくともしていません。

表札を見てみる


同じ境遇の方へ

苗字の選択に、正解はありません。

旧姓に戻すことが心機一転になる人もいれば、これまでの仕事や人間関係を守るために婚氏続称を選ぶ人もいます。

子どもが未成年であれば、手続きも含めてもう少し複雑になりますが、成人しているなら本人の意思を尊重することができます。

ひとつ言えるのは、

苗字が違っても、家族はちゃんと家族のままだということ。

苗字が変わっても、呼び合う名前が変わっても。
大切な関係は、何も変わりませんでした。