「夫が、私に背中を向けて寝るようになった」
「困っているのに、夫が助けてくれない」
もし今、あなたがそんな違和感を抱えているなら——これは、かつての私の話だ。
50代で熟年離婚を選んだ私にも、「あれは夫の心が離れていくサインだったんだ」と、今ならわかる出来事がある。
これは、その中でも忘れられない、ある夜の話。
自分のことが終われば、さっさと寝る夫
夫はいつも、自分のことが終われば、さっさと一人で寝床につく人だった。
子どもがまだ起きていようが、関係ない。
年を重ねるごとに、寝室に行く時間はどんどん早くなっていった。
早いときは、夜7時台にはもう寝室へ。
そこで好きな音楽を爆音で聴いたり、YouTubeを見たりしていることもあった。
飲み会で遅い日は、当たり前のように午前様。
でも、飲み会がなければ夜9時には寝てしまう。
——その間、わたしはというと。
仕事から帰って、ごはんを作って、片付けて、洗濯をして。
犬の散歩に行って、子どものお迎えに行って。
やることは、いつも山積みだったのだけど。
道路工事のような、いびき
わたしが寝室に行くのは、いつも日付が変わった深夜。
夫は、当然のように高いびき。
まるで道路工事でもしているかのような轟音。
隣で眠ろうとするわたしの睡眠を、容赦なく妨げた。
それでも、それが当たり前の毎日だった。
——でも、あるとき。
わたしは、ものすごい違和感を覚えた。
夫が背中を向けて寝るようになった
夫が、わたしに背中を向けて寝るようになったのだ。
その頃はもう、夜の生活はなかった。
それでも、同じベッドで寝てはいた。
でも、ある頃から。
明らかにわたしを拒絶するように、背中を向けて寝るようになった。
——女がいるのかもしれない。
ふと、そう思った。
でも、それ以上詮索することもせず、わたしは見て見ぬふりをした。
今振り返れば、あのときの違和感は、間違っていなかったのだけど。
足の感覚がなく、ベッドから転げ落ちた夜
ある日の夜のことだった。
ちょうど、コロナが流行っていた頃。
その日は、3回目のワクチンを接種した日だった。
深夜2時過ぎ、わたしはふと目が覚め、トイレに行こうとした。
ベッドの上に立ち上がり、床に左足をつこうとした、そのとき。
——左足の感覚が、まったくない。
「え?」
そう思った瞬間、わたしはそのまま床に転倒した。
ものすごい音がしたのだろう。
さすがの夫も飛び起きて、
「何!? 何!?」
と、驚いた様子で聞いてきた。
夫は、転んだわたしを跨いでいった
わたしは仰向けに転がったまま、
「転んだー! 痛いー! 足が痛いー!」
と、助けを求めた。
夫は起き上がり、わたしのほうへ歩いてきた。
わたしは当然、起こしてもらえるものと思って、そのままの体勢で待っていた。
それなのに。
夫は、わたしのことなど見向きもせず——
転がるわたしを跨いで、トイレへ向かったのだ。
そこに、愛はもうなかった
わたしは、今起きたことが信じられなかった。
足の感覚がなくなって、思い切りベッドから転げ落ちたこと。
それよりも——
そんなわたしを助けることもなく、跨いで部屋を出て行った夫。
さすがに。
さすがに、それはないよ。
「大丈夫?」
その一言さえ、なかった。
——そして、あとで病院でわかった。
あの夜、わたしは左足首を骨折していた。
骨の折れた妻を跨いで、夫はトイレへ行ったのだ。
そこに「愛」は、もう、まったくなかった。
まとめ|今振り返ると、すべては心が離れていくサインだった
今振り返ると、あの頃の夫の行動は、ひとつひとつが「心が離れていくサイン」だったのだと思う。
・妻に背中を向けて寝るようになった
・夜の生活がなくなった
・困っている妻に「大丈夫?」の一言もかけられない
・妻を気づかう気持ちが、まるで感じられない
当時のわたしはおかしい、おかしいと違和感を感じながらも、見て見ぬふりをしていた。
でも、もしあなたが今、同じ違和感の中にいるなら——その小さな引っかかりは、無視しない方がいい。

