星ひとつの口コミが怖かった。思い切って、先生本人に聞いてみた|人生で初めての弁護士相談

2_地獄の3か月

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わたしは重い腰を上げて、弁護士事務所に予約を入れた。

そもそも、なぜ弁護士に行こうと思ったのか

夫の不倫の証拠は、揃っていた。

でも、素人のわたしには、いちばん肝心なことがわからなかった。

この証拠は、本当に「不倫の証拠」として通用するのか。

しかも、先に弁護士のところへ行ったのは、夫のほうだった。

夫は「離婚するための手続き」を、しっかり学んで帰ってきていた。

このままでは、丸腰のわたしだけが取り残される。

予約の電話で、少しだけほっとした

電話に出たのは、女性だった。

空いている時間をいくつか挙げてもらい、その中から、なるべく近い日程を選んだ。

会社の帰りに寄れる時間。

電話の女性は、とても親切だった。

その声に、わたしは少しだけ安心した。

でも、予約を入れてみたものの、気がかりがあった。

気がかりは、ふたつあった

人生で初めての弁護士相談。

今後のわたしの人生を左右するかもしれない、重要な相手だ。

ひとつめの気がかりは、夫から聞いた話だった。

わたしより先に相談に行った夫は、その弁護士のことを「横柄で、あんな若造2度と相談したくない」と言っていた。

夫が相談したのとは別の事務所とはいえ、その言葉は耳に残っていた。

そして、もうひとつ。

わたしを悩ませたのは、これから行く弁護士事務所に対する、1件の口コミだった。

星ひとつの評価。

そこには、辛辣な批判が書かれていた。

「全くやる気がない、時間とお金だけかけて完全敗訴。最低な弁護士〜」

これを見たら、誰でも躊躇するだろう。

この弁護士は、わたしのために動いてくれるのか?

お金だけかけて、成果ゼロでは絶対に困るのだ。

それでも、行くと決めた

他の弁護士を探そうかとも思った。

でも、そもそも何のつてもない。

離婚に強い弁護士を自分で探せる気がしなかった。

散々迷った挙句、わたしは腹を決めた。

とりあえず、自分の会社の顧問弁護士でもある。

無料で相談できるのだから、行ってみよう。

ダメなら、その時考えよう。

ドラマで見るような事務所では、なかった

その弁護士事務所は、ドラマで見るようなガラス張りの華やかな事務所とは、全く異なっていた。

マンションの一室のような作り。

インターホンを押して、玄関先で靴を脱いで入っていく。

中には、4名ほど事務員の女性がいた。

奥の部屋に通され、座って待っていると、初老の男性が入ってきた。

威圧感がなく、話しやすそうだった。

安心したのを、覚えている。

3センチの紙の束を、そのまま持って行った

わたしが持って行ったのは、3センチほどの厚さになった紙の束だった。

印刷した証拠を、そのまま全部。

その束と、夫が作ってきた財産分与のエクセルシートを見せながら、今までの経緯を説明した。

弁護士先生は、口を挟まずに聞いてくれた。

わたしが一番聞きたかったことは、ひとつ。

自分が集めた証拠が「不倫の証拠」として認められるのか。

そして、慰謝料の請求ができるのか、ということだった。

わたしが持参した証拠は、次のとおり。

  • 女の住所、氏名、年齢、電話番号、LINEのID
  • リゾートホテルの領収書、その他のレシート
  • 女の口座への振込票
  • 夫と女との旅先でのツーショット写真、旅館での浴衣姿の写真
  • カーナビやETCの履歴(写真の撮影場所と合致)
  • チャネリングの先生への相談メモ 等々

わたしは聞いた。

「先生、これらの内容で、女に慰謝料請求できますか?離婚することは確定です。」

「合わせ技一本ってやつですね」

先生の答えは、こうだった。

「十分に慰謝料請求できますよ。合わせ技一本ってやつですね。」

「女に500万請求しましょう。落としどころとしては200万〜300万というのが妥当でしょう」

ほっとした直後に、湧いてきたもの

わたしは、自分が集めた証拠が有効だと聞いて、心底ほっとした。

と同時に、不倫の慰謝料は、地獄の苦しみに対する代償としては安すぎると思った。

人生めちゃくちゃにされて、たったの200万は割に合わなすぎじゃないか。

思い切って、あの口コミのことを聞いてみた

とても話しやすい先生だった。

だからわたしは、一通りの相談が終わったあと、思い切って聞いてみることにした。

ここに来る前、あんなに悩まされた、あの口コミのことを。

「グーグルの口コミですが、悪い評価の口コミがあったので、実は心配していました。でも、実際にお会いして、とても安心しました」

先生は言った。

「ああ、あの口コミね。あれは完全に逆恨みされてね、相手もわかってるんですよ。依頼者の母親なんです。依頼者本人ではなくて母親で、だいぶおかしい人なので、相手にしていません」

「気になるものですか?」と、逆に聞かれた

わたしは思わず聞いた。

「削除依頼とか、できないのですか? 事実無根のことを書かれて、損していると思うのですが」

すると先生は、こう言った。

「おかげさまで僕は忙しいので、あんな口コミは気になりませんけど、気になるものですか?」

逆に、質問されてしまった。

口コミひとつで悩んでいた自分が、小さく思えた

そういうこともあるのだと、わたしは妙に納得した。

書かれているのは、依頼者本人ですらない人の言葉だった。

口コミひとつで悩んでしまっていた自分が、とても小さく思えた。

やはり、自分の目で確かめることは大事だ。

あの日、口コミを理由に行くのをやめていたら。

わたしはこの先生に会えていなかったし、自分の証拠が「使える」ことも知らないままだった。

弁護士の口コミが、当てにならないことがある理由

※ここからは、同じように口コミを見て迷っている方のために、一般的に言われていることをまとめておきます。

書いているのが、依頼者本人とはかぎらない

わたしが見た口コミが、まさにそうだった。

書いたのは依頼者ではなく、その母親。

家族が書くことも、時には相手方が書くこともある。

負けた側の不満が、そのまま星ひとつになる

裁判や交渉は、必ずどちらかが望まない結果になる。

満足した人はわざわざ書かないが、納得できなかった人は書く。

だから、悪い評価のほうが目立ちやすい。

弁護士は、反論できない

弁護士には、守秘義務がある。

事実と違うことを書かれても、事件の中身を説明して言い返すことが、そもそもできない。

言われっぱなしになるしかないのだ。

そもそも、件数が少ない

弁護士事務所の口コミは、飲食店のように何百件もつくものではない。

数件しかないところに星ひとつがひとつ入れば、全体の評価はガクンと下がる。

だから、口コミは参考程度。

最後は、自分の目で確かめるしかない。

帰り道、わたしは後ろ盾を得た気がした

相談は、1時間ほどだった。

事務所を出て、またバスに乗り、地下鉄の駅に向かう。

その帰り道で、わたしははっきりと感じていた。

弁護士に相談してよかった。

後ろ盾を、得たような気持ちだった。

財産分与も、離婚の手続きも、結局は法律に従って進めるものだ。

法律の知識は、必須なのだ。

それなのに、わたしは本当に、何も知らないことばかりだった。

知らないから、気持ちが落ち込む。

知らないから、理不尽さに腹が立つ。

そんなことが、あまりにも多かった。

わからないことを、直接プロに聞ける。

それが、どれほど心強いことか。

あの帰り道で、わたしは初めてそれを知った。

もし今、口コミを見て迷っている人がいたら

わたしは、たった1件の星ひとつに、何日も悩んだ。

でも、実際に会ってみたら、まったく口コミとは違う人だった。

もし無料で相談できる制度があるのなら、なおさらだ。

会ってみて合わないと思えば、その時に別の弁護士を探せばいい。

迷っている時間のほうが、もったいない。


この日、先生からは財産分与のことや、弁護士費用の仕組みについても聞いた。

そのお金の話と、お金をかけずに弁護士に相談する方法は、こちらの記事にくわしく書いている。

▶ 離婚で弁護士に相談したら、世界が変わった。費用が不安なあなたへ
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次回夫は、あの手この手でわたしから自宅を奪おうとしてきた